2009/07/01

「1Q84」もしくは「200Q」的な場所


サラッと流し読みするのではなく、じっくり読みたい小説などは、電車で移動中に読む方が好きです。
適度な振動が逆に集中できるのかもしれません。昨日、ニューヨークに数ヶ月ぶりに来たのですが、約12時間の直行便のフライトの間に、村上春樹の「1Q84」を読み終わりました。

ニューヨークで泊まるのは、いつもの親友の家。お互いの人生のアップ&ダウンを共有してきた仲で、会った瞬間、いつもと変わらない親友であるのです。
日本へ引っ越した際に、自分が使っていたたくさんの荷物を彼に押し付けて帰国したため、ニューヨークで彼の家に泊まると、古い自分の持ち物に囲まれての滞在となるのです。

大きなブラウン管テレビ、キッチンで使う鍋や電子レンジ、シャワーの後のバスタオル、寝ているシーツやまくら、懐かしい丸っこいIMac、パソコンテーブルやテレビ台、などなど・・・

それらのモノに囲まれていると、継続する時間軸の上に生きているのに、ずっとニューヨークで暮らしているような錯覚に陥ってしまうのです。
まるで、もうひとつの世界と人生が同じ時間の流れに存在しているかのように・・・。

そんなわけで、マンハッタンの摩天楼の隙間の夜の空を見上げて、ついつい「もうひとつの月」を探してしまうのです。

*注
「もうひとつの月」という意味が分からない方は、村上春樹の「1Q84」を読んでみてください・・・。



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