2009/07/10

ニューヨークでみた展覧会~FASHIONING FELT~


フェルトはプリミティブな素材でありながら、現在も新しいテクニックにより新鮮な創作意欲を刺激します。

自分自身もフェルトによる制作を試していますが、その手軽さと奥深さ、自由自在に立体や布のように加工出来る柔軟性に魅力を感じます。


クーパー・ヒューイット・ナショナルデザイン美術館(Cooper-Hewitt, National Design Museum )にて開催中の「Fashiong Felt/ファッショニング・フェルト」は、ハンドメイドフェルトから工業的なフェルトによる様々な作品を紹介しています。

タイトルにある「Fashioning」というのは「流行」ということではなく「形を作る」という意味です。


工業的なフェルトによる、インテリア素材、家具、布地というのは、現代的でクールな印象のプロダクトが多かったですが、カットアウトによるレースのようなパターンを施したり、小さなシェイプを切り抜いて表面デザインにしたりと、その使い方もバリエーションがあります。


一方、ハンドメイドのファルトは、その制作過程の柔軟性から、別の可能性を感じます。自分がフェルトによる服の制作にもっとも興味もあることもあって、Andrea Zittel(アンドレア・ジッテル)による、シームレス(縫い目なし)のドレスは「やられた!」という思いがしました。

シルクなどの薄手の生地をベースに、ウールを絡ませてフェルト化/収縮するというのが一般的なフェルトの服のテクニックなのですが、彼女はドレス全体まるごとフェルト化しているので彫刻のように立体感があるのです。

日常生活で着る服としては耐久性には欠けてしまうので、少々コンセプチュアルでありますが、ファッション(服)とアートの中間的な作品として刺激を受けました。


また、思いもしなかったフェルトの使い方として、Bright Daamen(ブライト・ダーマン)による、ビーズにウールを絡めてフェルト化したネックレスは興味深かったです。子供っぽくなりがちなフェルトのアクセサリーとは違う印象でした。


日本にいると、フェルトの作品のアイディアというのは出尽くした感がありました。

また、フェルトの作品とはこんな感じだという固定概念があって(職人的な上手下手は別にして)所謂はクラフトっぽい存在でしかないところに憤りを感じることがありました。

新鮮な素材へのアプローチに触れることは、自分自身の制作の直接のヒントというわけではありませんが、ちょっと力づけられる気持ちになります。


Fashioning Felt/2009年9月7日まで

Cooper-Hewitt, National Design Museum

2 East 91st Street(東91丁目、五番街の近く)


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