2009/07/17

誰かっぽいハンドメイドの作家さん


ハンドメイドのクラフトなどをやっている人が「個展」をすることがブームらしく、都内の人気のある貸しギャラリーなどはスケジュールは来年まで埋まっていて、そう易々と個展ができるわけでないようであります。

ギャラリーの企画展にしろ、貸しギャラリーの個展にしろ、作家さんとまったく縁もゆかりもなにも関わらず訪ねるということは、それほどありません。
一週間弱の限られた期間のイベントなので、実際の知り合いだったり、友達に誘われて行ってみるということが殆どです。
自分が興味を持たない「個展」というのを目にする機会というのは、実際はなかったりします。

5年ほど前に、ウチの近所のバス通り沿いに5坪ほどの小さな貸しギャラリーがオープンしました。
非常に狭いこともあってギャラリー全体がショーウィンドウのような状態なので、展示されている作品は舗道からよく見えます。
当初は、時々開いている程度だったのですが、ここ1,2年は毎週入れ替わり立ち替わり「個展」が行われています。
ただし所詮は郊外住宅地ですので、雑誌に出てくるような有名な作家さんはおりません。

ここのギャラリーで扱われている作品というのは、基本的に作家さん自身で制作されている作品のようです。
着物リメイクのドレスやコート、癒し系の詩文の書、可愛いのフェルトの小物、不思議系のイラスト、ちょっと変な雰囲気のぬいぐるみ、などがあります。
良く解釈すれば、雑誌などで取り上げられている”今っぽい感性”の作風といえるかもしれませんが・・・「あの作家さんの?」とソックリな作風だったり、明らかに誰かの模倣している作品があるので、見ている側からするとビミョーな気分なのです。

クリエーションの基本は「模倣」にある場合もあるとは思いますし、好きな作家のスタイルを真似ていくのも自分らしさを模索するひとつの方法です。
技術的には模倣というのは最も有効な学びの手段だったりします。
趣味としてやることに強い作家性を求める必要もないとは思うのですが、個展を開いて作家っぽい価格で販売するのって・・・「どうなのだろう?」って気はします。

斬新で新しいデザインよりも、どこかでみたことあるスタイルの方が世間には受け入れられやすかったりするわけで、デザインビジネスの世界では、コピーというのは当たり前に起こっていることではあります。
ただ、個人のハンドメイドの作家さんまでもが、ビジネスのようなことをしなくても良いんじゃない?って、思ってしまうのでした・・・。

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