2010/09/05

「オネエ言葉」って、いまだに「ツボ」なの?・・・おすピー登場から時代を経ても朽ちるこののない「伝統芸」


同性愛者というのはいつの時代にもいたはず・・・故に「オネエ言葉」というものも、ずっと存在していたに違いありません。
ただ、メディアで「オネエ言葉」が堂々と使われるようになったのは、いつからのことなんでしょう?

昭和の時代には、美輪明宏(以前は丸山明宏)やピーター(役者名は池畑慎之介)のような女性的な妖艶さを「売り」にしたタレントはいましたが、物腰の柔らかなしゃべり口調であっても、俗にいう「オネエ言葉」とは、違うような気がします。
「オネエ言葉」で売り出したタレントとしては、カールセール麻紀が一番最初なのかもしれませんが、性転換をした「元男性」というビミョーな立ち位置ではありました。
「オネエ言葉」の原点に立ち戻り「男の容姿をした者が、女言葉を使う」という意味で考えると、おすぎとピーコが、一般的なメディアで成功した「オネェタレント」の第一号なのかもしれません。
(有名なゲイバーのママなどがテレビやメディアに出ることはありましたが・・・)

おすぎとピーコは初めから「双子のオカマ」というのが売りで、ラジオ番組の出演がタレントデビューだったような記憶があります。
そこでの「オネエ言葉」での毒舌ぶりが人気を博して、最初の本が出版されたのが1979年の1月のこと・・・「おすぎとピーコのこんなアタシでよかったら」です。
ゲストに大島渚、久米宏、中島梓を迎えての対談本でありますが、内容的にはおすぎとピーコの自虐ネタを含めた独断と偏見による業界人的な毒舌が「売り」でした。
ふたりの掛け合いというスタイルによって「オネエ言葉」がより際立った手法を確立した本といえるでしょう。
その年の7月には、おすぎとピーコ本の第二弾「おすぎとピーコの悪口半分百人分」が出版されますが、これはおすぎとピーコのふたりだけで、芸能人の裏話を辛辣に「オネエ言葉」で、しゃべり倒すという本でした。
そして、おすぎとピーコは時代の寵児になっていったのです。
その後の「オネエ言葉」の定番といえる「辛辣な毒舌」「何故かしらの上から目線」「口は悪いけど、根は悪い人じゃない」というレトリックは、すでにおすぎとピーコの登場で完成されていたということです。
ちなみに決まり文句は・・・おすぎの「おだまり!」でありました。
ポイントは・・・オネェ言葉を使うと「実は、いいひと」ということになる「落しどころ」であります。
おすぎとピーコの第一次のブームの1980年代前後というのは、今ほど「ゲイ」が世の中に認知されていたわけでもなく、おすぎとピーコも社会的には「ハミ出し者」としての特異な立場から「もの申す!」というスタンスでありました。
「オネエ言葉」に対して生理的に受け付けない人もいるようですが、それは「オネエ言葉」が潜在的に「虚栄心」「悪意」「嫉妬」などのネガティブな感情を含ませているかもしれません。
逆に「オネエ言葉」を支持する人というのは、そにネガティブな感情と共感し「よくぞ、そこまで言ってくれた!」というわけです。
ただ・・・「オネエ言葉」好感度を感じる人が増えるのは、良いことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?

その後、おすぎとピーコは不遇の時代を迎え、ボクはアメリカ生活で日本の芸能界について何も知らない空白の20年となるので、1980年代、1990年代の日本のメディアでの「オネエ言葉」事情については、よく分からないところはあります。
「オネエタレント」として君臨していたのは、コロッケの物まねで甦った芸能界のご意見番、美川憲一ぐらいしか印象がありません。
(もし、コレ!というオネエタレントが、この時期に存在していたのであれば教えて頂ければ幸いです)
美川憲一はゲイであるか、ないかを公表しているわけではありませんが・・・「おだまり!」を連発していたのは、ある意味「王道」でした。

その後、他の業界で活躍(?)しながら、「オネエ言葉」を「売り」にするタレントが増えてきたのが、ここ10年ほどのことです。
時代の流れなのか・・・「オネエタレント」は、辛辣な毒舌ぶりを「売り」にするよりも、「実は、いい人」という「おいしいところ」だけを頂くという輩ばかりになって・・・随分と偽善的になった気がします。
「ポジティブシンキングの人」「差別に屈しない努力の人」「元気をくれる人」「癒される人」という、好感度を高めることを意識したイメージ戦略が目つくのです。
世間は、いつまでも「オネエ言葉」=「実は、いい人」というステレオタイプを変えることはないようで・・・日本人って本当に「オネエ言葉」が好きなんだなぁって、つくづく思いしらされます。

近年、忘れてはならないのは、ブログで「オネエ言葉」を使う「オネエブロガー」の存在でしょう。
実生活でもバリバリ「オネエ言葉」というセミプロ(?)のような方もいるでしょうが、おそらく殆どは日常生活ではフツーの言葉遣いの方々だと思われます。
(リアルでも物腰は柔らかいかもしれませんが・・・)
「オネエ言葉」は、すでに特別な話し方でもありませんが・・・今でも「オネエ言葉」は、メディアをネットに変ええながら、世間の人々の「ツボ」であり続けているようです。
身元が分からないブログ故に、安易に「オネエ言葉」を使ってしまう「オネエブロガー」というのは多くいるのかもしれません。
紋切り型の伝統芸だからこそ、個性のないゲイにも容易く「キャラ」を与えてくれます・・・しかし内容が薄っぺらいと”頭悪そう”にしかみえなくて、痛々しく感じてしまうのです。



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