2010/08/19

最強の11歳 「ヒット・ガール」クロエちゃんが超クール!・・・お子さま向けのスーパーヒーローものではありません~「キック・アス」~



今年の春、アメリカで公開されて大ヒットした「キック・アス」は「スパイダーマン」や「バットマン」をパロったみたいなマーベルのカルトコミックスが原作のヒーローもの・・・弱気な高校生と11歳の少女がスーパーヒーローとして活躍するという設定は”お子さま向け”っぽい感じなんだけれど、実は内容がハード過ぎてR指定(18歳未満入場不可)というトンデモナイ映画なのであります。

主人公は、ヒーローに憧れる冴えない男子高校生(憧れている女の子にゲイと勘違いされてしまうほど弱々しい男の子)・・・しかし通信販売で購入したコスチュームに身を包み街のチンピラと戦った映像がYOU TUBEにアップされて、スーパーヒーロー「KICK-ASS/キック・アス」として世間に知られることとなるのです。
「KICK-ASS」というのは「すげぇイケてる」というような意味のスラングで・・・「She is a Kick-Ass!」とか言ったりしますが・・・スーパーヒーローの名前としては「どうなの?」って感じです。
ハッキリ言って「キック・アス」くんは、何のパワーもないハッタリだけのスーパーヒーローで、イケてなさは何も変わってはいません。



そこに、頼もしい相棒として登場して、完全に主人公を食ってしまっているのが、クロエ・グレース・モレッツ(Chloe Grace Moretzちゃんが演じる「Hit-Girl/ヒット・ガール」なのです。
彼女は5歳のときから実の父親(ニコラス・ケイジ扮するBig Daddy/ビッグ・ダディー)にスーパーヒーロー(殺戮マシーン?)として英才教育を受けた最強の11歳・・・バタフライナイフを器用に扱って刺しまくり、長刀を振り回し斬りまくり、アクロバットのように宙を舞ってキックしまくり、げんこつで大人達を殴りまくり、銃を乱射して殺しまくります。
血しぶきがドバドバ〜、足は切断されるは、拳銃で顔面を撃つは、タランティーノの「キル・ビル」を上回る痛そうな映像、マシンガンの乱射は、スコセッジの「スカーフェイス」よりもメチャクチャ・・・軽快な可愛い音楽をBGMに大殺戮を子供がやってのけるところが、まさにツボ!・・・ボクにとってっは、クロエちゃんこそ「KICK ASS/すげぇイケてる」なガールなのでありました!



残酷シーン以上に凄いのは「ヒット・ガール」の言葉使い・・・まだティーンエイジャーにもならないガキが映画で言うなんて信じられないほど、ぶっ飛んだ下品な言葉の数々なのですから。
悪者達を「You, Cunts!/お前らマンコ野郎ら!」とか、「I am just fucking with you, Daddy/パパ、ちょっとからかっただけよ」とか、ごく自然に出てきます。
18歳以上向けならば何でもありのハリウッド映画でも、こと子供に関わることには大変保守的なところもあるものです。
おそらく、今どきの子供なら、この程度の汚い言葉は日常的に使っているかもしれません・・・でも、そういう汚い言葉をハリウッド映画のなかで、子供が発することはヒジョーに稀かもしれません。
アクションシーンの残忍さだけでなく、言葉の汚さからも「R指定」になってしまったわけで、出演者のクロエちゃんは6年経たないと映画館では、自分の出演した映画を観ることが出来ないということになります。
You Tubeにアップされている彼女のインタビュー(現在12歳)を観ると、リアルでも超クールな女の子「500日のサマー」で演じていた恋愛のアドバイスをする小生意気なガキそのもの・・・ボクは妙に好感を持ってしまったのでありました。
ボク自身は”子供っぽい幼い子供”だったもんだから・・・余計にクロエちゃんのような大人びて生意気な子供には憧れてしまうのです。



この映画が、ハリウッド映画のビジネスルールを破って、ティーンを主人公にしながら「R指定」映画として完成出来たのには、イギリス人によるハリウッド資本の映画であるということがあるのかもしれません。
原作者を始め、主要スタッフ(主人公を演じる役者もイギリス人)のほとんどがイギリス人で、撮影もイギリスで行われています。
ギリギリ感のあるコメディセンスと、ハリウッドの暗黙の決まり事を無視したぶっ飛んだ内容は、さすがイギリス人というところでしょうか・・・。
ストーリー展開やプロットの辻褄合わせはビミョーなところもありますが・・・「ヒット・ガール」と父親の「ビッグ・ダディー」の切ない関係にホロリときたり、完全に「ヒット・ガール」食われちゃった主人公の「キック・アス」くんも、キチンと映画の中で男として成長しているところが、見終わって気持ちのいい映画です。
エンディングは、続編を期待させるような終わり方ですが・・・どうなるのでしょう?
個人的には「ヒット・ガール」のさらなる活躍を期待したいとことですが、クロエちゃんがガキのうちに制作して欲しいものです。
「キック・アス」の日本での劇場公開予定は、2010年の年末か2011年と言われています。
ぜひご覧あれ!


「キック・アス」
原題/KICK-ASS
2010年/アメリカ、イギリス
監督 : マシュー・ヴォーン
原作 : マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・ジュニア
出演 : アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ



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1 件のコメント:

  1. めのおかしさんのブログ、特に、映画関係は読んでいたのですが
    初めてコメントします。

    これは本当に面白かったです!!
    このブログで教えてもらえなかったから、知らなかったかも。
    ほーんとブログで教えてもらってうれしいです。
    ありがとうございました。

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