空港での搭乗までの待ち時間というのは暇なものであります。
成田空港にはお店の種類も増えたものだから、ついつい出発前にいらないものまで買い込んでしまったりしてしまうのです。
そんなわけで、街の本屋でみかけても購入しなかったであろう勝間和代著「不幸になる生き方」を、ボクは機内持ち込みバッグに忍ばせて旅行に出掛けたのでした。
ただ、飛行機の中ではひたすら眠るタイプだし、旅行中に読書をするほど暇でもなかったので、結局1ページも開くことなく荷物として持ち運んだまま、帰国したのでありました。
さて「不幸になる生き方」は、アンチカツマー的な生き方を示唆して去年ベストセラーとなった香山リカ著「しがみつかない生き方」に対する勝間和代からの真っ正面からの反撃のようにも思えます。
また、法則に見立てて論じてくスタイルは、香山リカの失敗作(ボクが勝手にそう思っているだけですが)の「人生の法則」と似通っています。
「不幸への道を知り、幸福をつかむ」ための7つの法則というのは「何ををすべきか?」ではなく「何をするべきではないか?」という、不幸を招く法則を掲げるという・・・否定的な方法論です。
仕事効率化のための「三毒追放」に「妬まない」を入れてしまう勝間和代らしい発想と言えるでしょう。
この本は、大阪大学の教授が解析した「なぜあなたは不幸なのか」という論文が、絶対的な前提となっています。
この興味深いリサーチの結果の中で、勝間和代は何故か、日本とアメリカの年齢別幸福度だけに注目して「日本人は歳を取るほど不幸になる」という結論に達しています。
その原因となるのが、自責(自分で責任を取る人)か、他責(責任を他人に押し付ける人)か、というのです。
アメリカは自責の文化の国で、アメリカ人には自己責任が身に付いていると思い込んでいるようですが・・・ボク自身も含め、アメリカ人と仕事で関わったことある人なら身に染みて分かっているように、アメリカ人には責任転嫁をする人ばかりいます。
自己責任が追及されるということは、責任を認めれば許しましょう・・・という感傷的な文化ではないということなので、個人はシラを切り通して責任を負わないように、保身的になってしまうものな のです。
「アメリカ人は自己責任をとる」「アメリカ人は歳を取るほど幸福度が高くなる」というのは、一部の欧米至上主義者の幻想でしかありません。
不幸を招く7つの法則として・・・有責(他人のせいにする)、双曲(目先の欲求に負ける)、分散(しがみつく)、応報(悪口、陰口)、稼働(面倒くさがり)、内発(やりたいことが分からない)、利他(自分が大事)を唱えています。
注目すべきは、香山リカの「しがみつかない生き方」もちゃっかりと取り入れているところです。
各法則については、批判するような見当違いということがありません・・・・・・と言うのも、各章の終わりにお奨め文献として挙げられている書籍の著者の意見を、カツマー論としてまとめたような内容となっているのですから。
ただ「不幸になる生き方」を具体的にピックアップしていくことは、自分自身の内面に似たような感情を抱えていたり、実際にそのような行動をして不幸になった経験がなければ、方法論としての説得力には欠けます。
バッシングに対して、どう自己を正当化していったのか?
自我を保つために、必要とした考え方(法則)は何だったのか?
そんな勝間和代の努力を、本書からは読み取ることが出来ます。
これほどまで、反面教師的にしか幸せを招く生き方を語れない勝間和代という人は、それほどまでにネガティブな生き方をしてきた(いる)人なのかもしれません。
また、過剰なまでに「リスク」「コントロール」「リターン」を意識する生き方も、自己の利益/幸福を追求する貪欲さを感じさせます。
「私の生き方は正しい!」という結論へ導いていく、カツマー的な都合による視点の転換と無茶な意味付けは、相変わらずです。
正論っぽく理屈を語れば語るほど、「嫌われ者」の強がりのようにしか感じられないのは何故でしょう?
ますます「痛い」勝間和代!
”カツマー”を自ら名乗り支持する人たちさえも、ボクには「痛い人たち」に思えてきてしまうのです。
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