3月12日放映の「中居正広の金曜日のスマたちへ」は、経済評論家で日本一デキる女として「カツマー」と呼ばれるフォロワーもいる勝間和代さんがゲストでした。
そして、番組は「カツマー」と「アンチ・カツマー」の溝を、さらに深めるような内容だったのです。
基本的にゲストを「よいしょ!」するキャンペーン(金スマ輝く女シリーズ)のはずなのですが・・・安住アナの容赦ないツッコミと、レギュラーコメンテーターたち(室井佑月、ベッキー、假屋崎省吾、大竹しのぶ)の冷めた反応から、出演者の誰ひとりとして勝間さんに好感をもっている様子もなく、スタジオの白けた空気がヒシヒシと感じさせられました。
いつも元気で饒舌なベッキーはヤケに寡黙だったし、普段はゲストを褒めまくるカリー(假屋崎省吾)でさえコメントがなく、中居くんも勝間さんのライフスタイルに共感できないみたいで会話も弾んでいなかったのですから・・・。
番組で公開されていた「勝間式効率化術」については、カツマーにとっては頷いて「なるほど!」と膝を打つような内容だったのかもしれませんが、アンチ・カツマーにとっては(毎度のことながら・・・)拒否反応を起こすようなものでした。
まず、妬まない、怒らない、愚痴らないという「三毒追放」でストレスが減り「仕事の効率化」できるということですが「妬まない」が入ってくるところが、勝間さんらしい・・・というか、エグいです。
勝間さんほどの人に妬まれたら・・・それは、それは恐ろしいことでしょう。
愚痴るというのは、適切な相手に適度であれば平和なストレス発散方法になると思うので、逆に愚痴らないことでストレスが溜まりそうです。
これらを「三毒」として禁じたことで仕事が効率化されたという勝間さんは、妬むことも、怒ることも、愚痴ることも、過剰にやっていた・・・ということなのかもしれません。
「断る力」というのは、自分を生かせる質の高い仕事をするために、自分でなくても出来る仕事を断わる(他の人に廻す)ことだそうです。
上司に自分の実力をアピールできる仕事だけに集中することができて「出世の効率化」されたということですが・・・こんなことを普通の職場でやったら、ほぼ100%職場の嫌われ者になるでしょう。
上司が絶対的な縦社会の外資系の会社の場合だと、上司からの指示を断るというのはかなり危険なことです。
勝間さんのいう「断る力」というのは、上司が見えないところで自分がやりたくない仕事を他の人に押し付けるということなのでしょうか?
自分の利益のために「断る力」を発揮するには「嫌われても平気」という強い精神力と、いつでも転職出来るという自信が必要な気がします。
「家事はやらない」というのは、仕事が忙しければ仕方ないことでありますが、家政婦さんの時給の算出して(勝間さんのように高収入の場合には)自分は仕事した方が経済的にも効率化が計れるというのは・・・ある意味「家事」という仕事を卑下しているようにも受け取れます。
勝間さんがまだ会社に勤めていた頃には、彼女の母親が同居して家事や育児をしていたということですので、今のように稼ぐようになったから金勘定を始めただけ・・・というような印象です。
「家事の効率化」を訴えるのであれば「プロの方が要領がいい」とか「家事が嫌いだから、下手だから」とか「家事をするより子供と過ごしたい」などという理由の方が好感が持てたかもしれません。
仕事相手との「コミュニケーションの効率化」のためにキレイになる・・・というのは、男性の目を意識しての発言なのでしょうか?
確かに第一印象というのはコミュニケーションに於いて大切だとは思いますが、努力しているキレイさというのは一種の「はったり」(それも女性に対して)のような気がします。
それに、男目線で言わせてもらえば、普通の男なんて「努力しなくてもキレイな女」が一番好きだったりするものです。
勝間さんは「結局、女はキレイが勝ち」という本も書かれていますが、あえて「結局、」と断った上に「女は」と女性だけに特定をして「キレイが勝ち」と”勝ち負け”にこだわるのは、彼女自身が容姿の「キレイ」「キレイでない」で、過去に苦い思いをしたというだけなのではないでしょうか?
勝間さんは学生でできちゃった結婚、二度の離婚歴を持っておられますが、男性経験が豊富そうというイメージはありません。
「いいパートナーを見つける」というのは大切なことですが、お互い成長し合える関係でなくなったら別れるというのは、まるで学生同士の恋愛のようです。
女性が社会に参加出来ない時代には結婚相手に対して打算的になることは仕方なかったと思いますが、今のように女性の自立もできる時代に「恋愛の効率化」を追求するというのは、自分の成長のために男性を利用するということでしょうか?
家庭を持つ幸せとか、妻や母親としての喜びが、欠落しているように思えます。
また、男性まで恋愛の効率化を計ったら、結婚さえ成り立たなくなるかもしれません。
勝間式効率化術に現れているカツマーの神髄は、資本主義という泥舟が沈みかけている時に自分だけ生き残りたいという・・・勝ち組の自己中心的な傲慢さが垣間見えてしまうのです。
「あなたにも出来る!」と、勝間式の努力で成功すると指南しているようですが、その方法で勝間さん自身ほど成果を出せる人なんているわけありません。
現在の勝間さんのビジネスの中心となっているのは、自己啓発の執筆やセミナーだと思うのですが、彼女のライフスタイルや思想が支持されるのは「成功して勝間さんみたいな金持ちになりたい!」という世の女性たち(男性たちも?)のスケベ心をくすぐっているからかもしれません。
それは「成功する秘訣」を売ることで「成功する」というレトリックさえも連想させてしまうのです。
さて、この日の「金スマ」の番組内では、勝間さんの笑顔も引きつってしまうような場面が、いくつもありました。
安住アナは「ヤな奴だな~みたいなこと言われた事ないですか?」と、世のアンチ・カツマーを代弁するような質問を勝間さん本人にぶつけていました。
また、ずっ~とスタジオで怪訝な顔しながらVTRを見ていた室井佑月が「カツマー流行すると、若い女が能力ないくせに直ぐ断ってデキる女ぶって、ムカつくんだよね!」と、吠えていました。
あちこちと随分と編集でカットされている様子でしたが、あえて安住アナや室井佑月のコメントをカットせずに放映しているところに「金スマ」のアンチ・カツマー的な姿勢が見え隠れしていたと感じるのは、僕の深読みでしょうか?
最後に、もしも、まだ飯島愛がレギュラーコメメンテーターだったら、勝間さんにガンガン噛み付いていたかも・・・なんて想像をしてしまいました。
このブログを読んだらまるで金スマを観たかのような錯覚を覚えました。しかし勝間さんだけで番組を作るとは他にネタないのかな。かつては私も外資系企業でどっぷり資本主義につかって仕事していましたが、そこから脱却してみるといままでほどお金がなくても人間らしい生活ができることを実感しています。彼女はどこまで上を目指すのかな。上には何があるのでしょうか?
返信削除コメントありがとう!
返信削除資本主義なんて「坂の上の雲」を目指すようなもので、近づいていけばいくほど乱気流に入ってしまうような気がします。
今までの方法で成長を続けるためには、途上国や貧しい人たちの安い労働力を搾取を続けていくしかないわけだけど・・・その限界はみえてきているのかもしれません。
だから、資産運用という名のマネーゲームや、自分だけ勝者として生き残るためのテクニックを売り物にしている勝間さんには、僕はうんざりしてしまうのです。