2011/09/14

”正直者”より”嘘つき”が好きになったわけ・・・「二号さん」という立場の上に、結局は捨てられてしまったの!~アイルランド系アメリカ人「B」~


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経験がそれほどない若いときは、恋愛に関しても、セックスに関しても、結構”純粋”ものです。まぁ、若いときからずっと”淫乱ヤリマン”だぜぇ~っていう強者もいるかと思いますが・・・セックスに関する情報なども限られていた昭和”に育ったボクからすると、お互いに好き合っている者同士が付き合ってからセックスするものという既成概念に縛られていたところはありました。それは、多少なりとも「結婚」というストレート社会での表向きのルールに無意識に洗脳されていたというところもあったのかもしれません。


1980年初頭にニューヨークに移り住んだ18歳のボクの貞操感覚は、当時のティーンエイジャーとして特に保守的だったわけではなかったと思いますが・・・エイズ以前のニューヨークのゲイシーンは、ゲイの人権運動とフリーセックスの精神で、ガンガンと”やりまくり”が当たり前。週末に出会ったワンナイトスタンドの相手の数を、日曜日のブランチで友人たちと競い合うなんていうのが、当時はごくごく普通のゲイライフだったのでした。ただ、18歳のボクにとっては、そう易々と受け入れたわけでもなく・・・ゲイの友人たちからは「お固い子」として、レッテルを貼られていました。


そんなボクですから・・・付き合っている人(セックスしている人)がいるのに別な人とセックスするような「浮気」はアリエナイし、まして、恋人と同居している人とセックスしたりする「浮気相手」になるなんて、絶対にアリエナイと思っていました。


「B」とは、友人のパーティーで知り合いました。アイルランド系によくいるガチムチ体型にフルフェイスの髭は、まさに「熊系」。それでいて、キラキラしたブルーの瞳は少女マンガの夢みるキャラクターのようで・・・「B」の人柄の良さが現れていました。次の週末には食事に行こうとトントン拍子で、デートも決まりました。最初のデートに選んだレストランは、当時ボクの住んでいたアパートのほぼ正面にあるスペイン料理店・・・もしかして、食事後には「なるように、なってしまうのかも〜!」と、一人で勝手にドキドキしていたのです。たった一度しか会っていないのに、ボクはすっかり「B」と付き合うことになるのだろうと思い込んでしまっていたのでした。


食後のデザートが運ばれてきた頃「B」は、ボクに打ち明け話をしてきました。実は大学時代から付き合っている「彼」がいて、その「彼」とは15年ほど一緒に暮らしていること・・・ただ、ここ10年はカラダの関係は一度もないというのです。一度も浮気はしないできたけれど、そろそろ限界を感じ始めていた・・・そんなタイミングで、ボクと知り合ったということ。セックスだけではなく、もう一度「恋愛をしたい」と切実に思っている・・・とも。ただ、一緒に住んでいる「彼」とは、今後も同居を続けるつもりでいることも告げられたのでした。


「B」の告白は、今振り返って思えば・・・自分勝手な言い分ではあるのですが、当時のボクは、その正直さに心を動かされてしまったのです。それまでは「浮気相手」になることには、自尊心が傷つけられたものでしたが・・・「B」と「彼」の関係は恋愛としては破綻しているから、セックスを含んだ恋愛関係という意味では「浮気」ではないのではないか?・・・なんて、「B」との関係を肯定するためには、自分に都合の良いように考え始めていました。すでに「B」のことが好きになってしまったボクにとって、これこそが典型的な「二号さん」的な立ち位置ということさえ理解していなかったのです。


最初のデートから、一週間後に「B」をボクのアパートに招待しました。当時、セックスの経験が豊富でなかったボクにとっては、相性がどうのこうのというのは分からなかったのですが・・・「B」との優しいセックスに大満足していたのでした。それからは、週に一度は「B」がボクのアパートに来て、デートとセックスを繰り返しました。ただ、どんなに遅くなっても「B」は、ボクの部屋に泊まることはしませんでした。ニューヨーク市内は運行間隔は1時間に2本とかになるものの、基本的に24時間サブウェイは動いているので、「B」はタクシーを使わなくても帰宅することができたのです。


毎週「B」と会うようになると・・・お互いの育ちのこと、仕事のこと、夢のはなしなど、さまざまなことを語り合いました。時には「彼」との生活の不満も耳にすることもありました。15年一緒に暮らした時間には敵わないけれど・・・今の「B」のことは、同居している「彼」よりも、ボクが一番分かっているという自負が次第に生まれてきました。「B」は、ボクと「B」との関係のことは「彼」には秘密にしていたのですから。「B」がボクに対しては100%正直であること・・・それがボクにとっては「B」の”愛の証”だと信じていたのです。


そんな関係が一年ほど続いたころ・・・夜中の2時だろうと帰宅する「B」の後ろ姿をみて、とめどなく切なく感じ始めたのです。週に一度だけはボクと「B」は、恋人同士のように過ごしているけど一夜を過ごすことはなく・・・ボクは「B」と「彼」の事情を理解させられているけど「彼」はボクの存在さえ知らない。自分はまぎれもなく「二号さん」であることを実感させられたのでした。


それから、ボクは徐々に「B」に対して、ボクの部屋に泊まらないことや、ボクのことを「彼」に告白しないことを、なじるようになりました。「B」と「彼」の同居生活を壊したいとは思っていませんでしたが・・・ボクと「B」の関係を「彼」を含む「B」の周りの人たちにも認知して欲しいという欲求が生まれてきたのです。しかし、それは絶対に敵わぬ思いだったのでした・・・「B」は「彼」とは別れる気なんて全くなかったのですから。


「B」と「彼」は、他の人とセックスをしたり、恋愛をしたりしているのではないかとは、お互いに察していましたが、腹を割って話し合って、性的にオープンな関係にするつもりは、まったくなかったようです。「Don't Tell, Don't Ask/話さず、尋ねず」でルールで、二人の同居しているアパートに誰かを連れ込んだり、誰かのところに泊まったり、誰かとセックスしたことを話したりというのは、お互いにしないことになったいたのでした。「B」と「彼」は、まるで目や耳を塞ぐことで成り立っているような”偽りの関係”・・・それに対して、ボクと「B」は、お互いに正直にすべてを話している”真実の関係”であるとボクは思い込んでいたのですが、それは突然の思いもよらない事態で”大間違い”であったことをボクは知ることになります。


ある晩、突然「B」から別れを告げられたのです。「二号さん」の立場を甘んじてさせられていたボクとしては、別れを告げるのは自分でなくてはならないと勝手に思っていました。それは、ボクにとっては「二号さん」としてのプライドだったのですが・・・プライドを持つなんて、唾を上に向かって吐くような行為なんだと思い知らされることとなったのです。


ボクはいつしか「B」にとっては、罪悪感を感じさせる存在になってしまったのでした。「B」からすれば、すべてを話して納得した上でボクは付き合っていたはずなのに、ボクと会うたびに責められて罪悪感を感じさせられてしまうと。「罪悪感」とを感じる関係は、絶対に長続きはしません。また、ボクの立場からの欲求も理解できないわけでもなかった「B」にとって、次第にボクと付き合うことが苦痛になっていったのかもしれません。


「二号さん」という立場に甘んじた上に、最終的には振られてしまうなんて・・・ボクとしては、どうしても納得することが出来ませんでしたが「B」の決心は変わりませんでした。「納得するように説明して!」と訴えるボクに対して、言葉を変えて繰り返し説明をする、どこまでも優しい「B」・・・かすかであっても復縁する希望を持ちたいボクにとっては、「B」の誠実な対応がさらにボクを傷つけたのです。


数時間後、ボクは「B」に帰宅を促しました。もう、これ以上話し合っても、何も変わらないと悟ったのです。ただ、その翌日から「B」からボクの様子を心配して、毎日電話がかかってきました。もしかすると、ボクが自殺とかするのではないかと思っていたのかもしれません。ボクの心の傷は「B」と話すことで癒されることは永遠にないと思えたので・・・「もう二度と電話しないでくれ」と伝えたのでした。


「B」と付き合ったことでボクが学んだのは・・・一番大事な人には、嘘をつくっていうこと。


守りたい関係だからこそ、その関係を守るために、人は嘘をつくもののようです。それならば、最初から嘘をつくようなことをしなければ良いのに・・・という話なのですが、それでも嘘をつかなければいけないようなことをしてしまうものだったりします。それは「浮気」とか「セックス」に限ったことではないかもしれないけど・・・守りたい関係を脅かすような不愉快なことではあるようです。「二号さん」や「セクフレ」には「相方いるんで・・・」とか、「結婚している」とか、前もって言っておくっていうのは”誠実さ”や”優しさ”とかでは全然なくって・・・嘘をつくという”重荷”さえも抱えないということ。バレるような嘘をついたり、白々しくシラをきり通すほど、絶対に失いたくない・・・そんな守りたい関係の人に、ボクはなりたいであります。


だから、ボクは「正直者」よりも「嘘つき」が好きになったのです。



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