2010/05/11

エロオバサンも、エロオッサンも「己を知る」ということに尽きるのだ!~「オバサンだってセックスしたい」/岩井志麻子著~


5時に夢中!」での強烈なエロオバサンっぶりの岩井志麻子のことだから、いつか、こんな本を書くんじゃないかと思っていたけど・・・遂に出しました~!
ズパリ「オバサンだってセックスしたい」・・・まるでエロサイト勧誘のジャンクメールのようなタイトルです。
それにしても、この本を平然と本屋のレジに持って行って買ったり、公共の場所でブックカバーなしに堂々と読めるオバサンっているのでしょうか?
それが平気で出来るのであれば・・・まさにクィーン・オブ・オバサンと呼べるでしょう。
こんなタイトルの本の読者なんて、ボクみたいなキワモノ好きぐらいしかいないんじゃないかと思っていたんだけど・・・実際に読んでみたら、普遍的な人生の真理が書かれていた、ある意味、素晴らしい内容(?)の本なのでした。


岩井志麻子の生まれ育った岡山と、男漁りをした韓国と、取材をした水商売(ヘルス、AV界も含む)に於いての筆者の体験から「オバサン道」が語られている本書だけど・・・ひと言でまとめるとすれば「己を知る」ということに尽きるのでありました。
これって、当たり前のことだけど、実はなかなか難しいこと・・・年甲斐ない勘違いほど、第三者からみて「痛い」存在ってありません。
若作りをしてオバサンが若い女性と戦っても、本当の「若さ」には敵うわけはなく、オバサンオバサンを好む層に、オバサン度をアピールすることで「需要がある」という説は、ごもっとも!
ただ、デブのくせにデブ好き(デブ専)にだけは好かれたくない・・・とか、天の邪鬼も、ありがちなこと。(ボク自身もデブ専を嫌うデブでありました)
「己を知る」というのは、時には厳しい現実を直視することだから、人間的な成長を必要とするのです。

ストレートのオバサンとゲイのオッサンでは、置かれている状況はまったく違うけど、自分が求められる場所に身を置けば、必然的にモテる・・・というのは、共通していることのようです。
「需要」「供給」のバランスは経済の基本・・・セックスという市場での自分のマーケティングを把握することは、非常に大事なこと。
ゲイの世界は、捨てるところがないというほど、モテ筋というのはさまざま・・・「ちび、でぶ、はげ」のオッサン(オジイサン?)が”本理想”ということもあるから、オバサン市場と比べて、ゲイのオッサン市場は、さらに奥が深いのであります。
ボクと岩井志麻子はほぼ同年代ではあるけど、「選ばれる性」のオバサンって、いろいろと考えているみたいで大変・・・あぁ、ゲイのオッサンで良かった~!

何でもかんでも「ポジティブに!」というのが最近の傾向・・・自分をリアルに知ることって、ますます難しいことになってきているのかもしれません。
「自分で自分を褒めてやりたい!」「どんな自分もだって全部好き!」というような、自己全肯定で生きるが勝ち!
自己申告での「私」で成り立っている人が、多くなってきたような気がします。
否定的な意見を言うことは「悪」で、気持ちよく過ごせるような優しい言葉が「善」とされる・・・傷つくこと、傷つけることを恐れて、直接的に己を知る機会はますます減るばかり。
ネット上のコミュニケーションなんて、アバター同士の関係に近いから、何度だってリセット出来てしまいます。
空気を読むように「己を知る」しかない時代・・・そもそも「キャラ」ではない「真実の己」を追求することって求められているのでしょうか?
将来的には、もっともっと勘違いしている、痛いオバサンや、見苦しいオッサンが増えているかもしれません。

「オバサンだってセックスしたい」というタイトルだから、誰もが本屋で手に取ることさえも躊躇してしまいそうだけど・・・オバサンマジ「やりたい」という男性にとっては、オバサンの見分け方オバサン別の攻略法オバサンの悦ばせ方、抱き方など、後半は実戦的に使えそうなので「実用書」としてお奨めです。
また、岩井志麻子が普段のエロオバサンっぷりを発揮して、自らの欲望と体験をオブラートに包むことなく語り尽くしているので、キワモノ好きの方々の期待にも応えていると思います。
しかし、なんと言っても、この本を一番読むべき読者は・・・
フツーのオバサンそこのオバサンあなたですよ、オバサン!
ぜひとも、この本を通販とかで通販で購入して、自宅でコッソリと読んで欲しいのであります。



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