2011/01/27

ベストセラー作家となって印税をもらったら・・・毎日毎日風俗に通って抜きまくってもらいたいものだ!~「苦役列車」西村賢太著~


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普段は「芥川賞/直木賞」の発表に注目しているわけでもないんだけど(年に2回もやっているし)今年は、ある理由で気になってしまいました。

たぶん、文学界的なニュースとしては、芥川賞、直木賞共にダブル受賞(各賞に受賞者2名ずつって大盤振る舞い!)や、やっと直木賞受賞となった道尾秀介氏や財閥・文学一族出身の大型新人朝吹真理子女史なのだろうけど・・・個人的に気になったのが、なんといっても「苦役列車」で芥川賞を受賞した西村賢太氏であります。

こういう太った犬顔の中年(ボクの勝手な解釈ですが)というのは、ゲイ組合ではちょっと人気のあるタイプ・・・ただ”やさぐれ”過ぎな雰囲気は、ちょっと面倒な感じもします。


インパクトがあったのは、芥川賞と直木賞の受賞会見でのこと・・・黒いドレスで”いかにもお嬢様”という体の芥川賞受賞者のひとり朝吹真理子女史と、ヒゲ面で革ジャンを着たメタボな中年男という西村氏という異色の組み合わせに、マスコミには「美女と野獣」と書きたてていました。

(西村氏が野獣としても・・・隣が美女かというのはビミョーですが)

「受賞の連絡があった瞬間、何をしていましたか?」という、こういう受賞会見ではよくある質問に対しての西村氏の返答が「自宅で、まあそろそろ風俗行こうかなと思っていんですが・・・行かずに良かった」なんて、答えていました。

「そんなことまで言わなくても良いのに」っていう余計な情報だったりするわけですが・・・こんな風に屈辱的に自分を落とすような私小説が彼の作風と知って、納得したのでありました。

幼い頃、父親が性犯罪で逮捕され夜逃げ・・・中学から働き始めて自立したものの29歳の時には自らも暴行で留置所に入ったこともあったそうです。

フリーターとして生計を立てながら、2003年から小説を書き始めたということなのですが、そのすべてが自分の愚行自慢のような小説ばかりというのも、なんとも凄まじいような気がします。

芥川賞の審査委員であった島田雅彦氏いわく・・・今回の作品(苦役列車)で何かジャンプしたところはあるのかと質問されて「ないと思います」ときっぱりと返答しているように、継続してきた手法が評価されたいうことのようです。


さて、第144回芥川賞受賞となった「苦役列車」は、”貫多”という主人公が、1980年代半ばを振り返って書かれている三人称の小説でありますが・・・西村氏自身も同じ時代に同じ19歳だったわけで、彼の実体験がベースになっていることは確かなようです。

(人物設定の父親が性犯罪者など、ほぼ西村氏と同じ境遇)

ただ、三人称で書かれた”貫多”という名の若者の物語というのは、この作品以外にもあるようで、その私小説な徹底ぶりにも驚かされてしまいます。

日雇いで倉庫で働く”貫多”の惰性で生きているような日々に、ちょっとした変化が起こるのは、”日下部”という同い年のアルバイトが入ってきてからのこと・・・普通に家族のいる環境で育ってきた”日下部”との関わりによって、”貫多”は己のねじ曲がった感性や、貧しい人間性をよりいっそう感じることとなるのです。

文章は淡々とトレートで、余計な文学的な飾りっけなし・・・ただ、内容が内容だけに気分が重くなっていってしまうのは、”貫多”の卑屈さに「筋が通っている」からかもしれません。

自己に対してこれでもかと卑下する態度、劣等感の裏返しで他人までも見下していく・・・そんな「負の連鎖」が”貫多”自身に戻ってくるという”自業自得”に、切なさと共感を感じてしまったのでありました。

これほどまでに「私小説」という形式のみで書き続けて、自分の恥部をさらけ出すことにこだわるということは、ある意味、冷静に自分自身を客観視して受け入れなければできなければ出来ないこと・・・それなのに西村氏は「ダメ人間」のままでいるからこそ「私小説」を書き続けられているわけで、人間的に成長してしまうことが作家としてのアイデンティティーを奪ってしまうという、自分で作り上げた袋小路の中を進んでいるような気もしてしまいます。

西村氏は「自分よりダメなやつがいると、ちょっとでも思ってくれたらうれしい」なんて、またまた自分を卑下したような発言をしているけど・・・ちょっとだけ卑屈になったり、時々屈折して物事を見てしまう自分自身を、ボクは”貫多”の中に感じてしまったのでした。

きっと西村氏は実生活でもサイテーな奴だと思うけど・・・そこまでの卑屈さを「意識するか」「意識しないか」の違いだけのような気がしてしまうのであります。


日曜日の昼番組「アッコにおまかせ!」の取材に答えていたアンケートでは「(落選していたら)失意の寂しさを紛らわすために、本当に風俗にいくつもりだった」と直筆で答えていて、記者会見の返答が「ガチ」であったことを強調していました。

また「本が売れて大金が手に入ったらそうする?」という問いには・・・


「毎日風俗に行く(これは真面目です)」


と念を押すように返答しているので、ボクが購入した1冊分を含めた10万部といわれる印税(1200円 X 0.1 X 100000)で、西村氏は風俗で抜きまくるのでしょう!

購入者としては、なんだか妙な気分にさせられるところもあるけれど、そのどうしようもなさも許してしまう・・・興味深いキャラクターであることには間違いありません。

今後、出版界で「西村賢太ブーム」・・・起こりそうな予感がします。



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