2012/09/28

平等な管理社会だからこそ”努力”も”労力”も報われる!?・・・MMORPGオンラインゲームのコミュニケーション苦手でもハマれたわけ~「ドラゴンクエスト X オンライン 目覚めし五つの種族」~


おそらく、ボクはギリギリで「ドラクエ世代」にはなるのだろうけど、第1作目のファミコン版「ドラゴンクエスト」が発売された時(1986年)には、すでに結構な大人(23歳)・・・その頃、住んでいたアメリカでも、ファミコンと同じ「NES/ニンテンドー・エンターテイメント・システム」は発売されていましたが、「ドラゴンクエスト」というゲームの存在さえもリアルタイムでは知りませんでした。一時期、NESを所有していたこともあったのですが、本体付属ソフトだった「スーパーマリオブラザーズ」しか記憶がありません。夏休みに、不眠不休に近い状態で三日間「マリオ」を遊び続けて、仕舞いにはテレビを爆発させてしまったことがありました。当時、ファッション科の大学に通っていたので、ハッキリ言ってゲームなんかして遊んでいる「暇」が、あるはずもなく・・・人生の大切な時間を奪われるような気がして、買ってから数ヶ月後にNESは捨ててしまったのでした。

2001年の11月、プレイステーション2が値下げされたことをきっかけに、ゲームへのめり込んでいくのです。その後、家庭用ゲーム機の歴史を辿るように、ファミコン、マスターシステム、PCエンジン、メガドライブ、ゲームボーイ、ネオジオ、アタリリンクス、ゲームギア、PCエンジンGT、スーパーファミコン、3DO、ネオジオCD、プレイディア、セガサターン、アタリジャガー、プレイステーション、バーチャルボーイ、ピピン@マーク、ニンテンドー64、ドリームキャスト、ネオジオポケット、ゲームキューブと、”大人買い”で歴代ゲーム機を揃えました。しかし、実際にゲームをプレイするというよりも、本体やレアなゲームソフトを収集することに喜びを感じていたところがありました。結論として・・・新しいゲーム機の方が遊び勝手も良いことに納得。今、起動させるのは現行機種(プレイステーション3、Xbox360、Wii、ニンテンドー3DS、PS Vita)だけになっています。それに、最近では昔のゲームソフトも現行機種でも遊べてしまうようになってきたので、古いゲーム機本体やゲームソフトは骨董的な価値しかなくなってしまったような気がします。

さて、MMORPG(大規模多人数参加型ロールプレイング)型オンラインゲームの話です。「ディアブロ」「ウルティマ・オンライン」」「エバー・クエスト」などの時代には、オンラインゲームというのはコアユーザー向けだったような気がします。2000年の「ファンタシースターオンライン」(ドリームキャスト)と2002年の「ファイナルファンタジー11オンライン」(プレイステーション2)で、家庭用ゲーム機でもオンラインゲームがプレイ出来るようになって、敷居がグッと低くなりました。ボクは、ドリームキャストで「ファンタシースターオンライン」をプレイしたことありますが、サービス開始からだいぶ時間が経っていたこともあって、プレイヤー同士のコミュニティーができあがっており、出遅れ感を感じさせられたものです。

「ファイナルファンタジー11オンライン」は、ほぼサービス開始直後からプレイし始めたのですが・・・ネックとなったのは、オンラインゲームには欠かせないプレイヤー同士のコミュニケーションでありました。オンラインで作成したキャラクターのみ・・・いわゆる”アバター”だけの存在でしかない年齢も性別も不詳な相手と、キーボードのチャットでコミュニケーションを取ることに、居心地の悪さを感じてしまったのです。

「FF11」で「ソロプレイ」を貫くことは絶対的に不可能というわけではありませんが、レベル上げだけでなく、クエストをクリアするにも、他のプレイヤーと「パーティー」を組むことは不可欠・・・コミュニケーションをまったくしないでプレイすることは、非常に難しいのです。それでも、当初は頑張って「パーティー」に誘われたら出来るかぎり参加するようにしたり、時には思い切って他のプレイヤーをパーティーに誘ってみたりと頑張ってみましたが・・・いくらゲーム上で同じ目的を持っているからといって、何者か分からない人と関係を築くような気持ちにはなれず、会話もそれほど弾むわけもなく・・・フレンド登録などはしないで、その場限りのお付き合いばかりでした。

日本人プレイヤーは、礼儀正しいし、不愉快な思いをしたようなことは、殆どと言っていいほどありません。だからこそ、余計に気を使ってしまうのです。時間的に無理な場合には、誘われた段階でお断りもしやすいのですが・・・一度、フィールドに出てしまうと、トイレに行きたくても我慢とか、そろそろ寝たいのにパーティーから外れられないとか、まるで日本人社会の”疲れる要素”を凝縮したような印象でした。結局、「FF11」をプレイしているリアルの友人とだけパーティーを組むという形に落ち着いてしまいました。その友人は「今夜10時に”リンクシェル”(オンラインゲーム上のチームのようなもの)のメンバーと一緒に遊ぶ約束しているから、急いで帰らないと」など、現実の世界とオンラインゲームの世界が並列しているような感覚を持っていることに、正直驚きました。

「ドラクエ」か「ファイナルファンタジー」かと言えば・・・ボクはどちらかというと「ファイナルファンタジー」派。Wiiで「ドラゴンクエスト X オンライン 目覚めし五つの種族」が発売されると聞いても「オンラインゲームは、もういいかも」としか思えず、買うつもりはありませんでした。発売前になって「ドラクエ9」のように「サポートなかま」を雇って、ソロプレイでもパーティープレイが出来る仕様であることを知り、とりあえず遊んでみようか・・・と始めてみたのです。

序盤はソロプレイでも、それほど苦もなくレベル上げが進むものの・・・最初のボスあたりから、完全なソロでは厳しくなってきます。途中「パーティー」に誘ってもらうこともあってので、苦手意識から脱却したいという思いもあって、ある「パーティー」に参加してみたのですが・・・「ドラクエ10」のチャット機能の乏しさもあってか、ボク以外のプレイヤーもなんか”寡黙”。唯一、キーボードでしゃべりまくるリーダー格のプレイヤーさんに、ただ従ってついていくだけという感じでした。プレイヤーのHP/ヒットポイント(生命の力みたいなもので0になるとキャラが死んでしまう)の回復役として「パーティー」には必要な僧侶さんが「そろそろ寝ます」と、いきなり「パーティー」からはずれてしまうという事態になり、20分ほどで「パーティー」は解散となりました。「パーティー」を組んでやりたいこともビミョーに違ったりするし、プレイスタイルもひとそれぞれ・・・気楽なソロプレイが一番と再認識して、サポートなかまを雇えるようになるクエストを早々にクリアしました。その後はソロプレイだけど、サポートなかまと「パーティー」を組むとスタイルで、快適にプレイしています。

「ファイナルファンタジー11オンライン」を開発したスクウェアと「ドラゴンクエスト」のエニックスが合併したことから「ドラゴンクエスト X オンライン 目覚めし五つの種族」は、鳥山明のキャラクターデザインのビニュアルや、基本的な操作方法は「ドラクエ」シリーズをを継承しながら・・・「ファイナルファンタジー11オンライン」のゲームシステムをシンプルしたという感じです。MMORPGオンラインゲームというのは、基本的にロールプレイングゲームと同じように、ストーリーを進めていくわけですが、オフラインと大きく違うのは「経済システム」が、非常に重要な要素ということ・.・・いや、経済こそオンラインゲームの”キモ”であるのかもしれません。現実の世界以上に、経済を制する者が全てを制するということになりがちなのですから・・・。

ドラクエの世界での貨幣単位は”ゴールド”というのですが、この”ゴールド”は、フィールドのモンスターを倒すことで得ることができます。「ドラクエ10」で良いのは、ソロで倒しても、パーティープレイで楽しても、入手できる”ゴールド”の金額は同じこと・・・ただし、一度の入手出来る金額自体は、非常に微々たるものです。モンスターがたまに落とす”宝箱”から、アイテムが手に入るので、それをお店に売ることで”ゴールド”を得ることもできますが、そう簡単には何万ゴールドを貯めるのは至難の業・・・そこで”バザー”と呼ばれるプレイヤー同士が売り買いすることができる仕組みがあるのです。これこそが、まさに「MMORPGオンラインゲーム=経済シュミレーションゲーム」たる由縁で、本来のストーリーを進めるだけでなく、いかに”ゴールド”を稼ぐか・・・というゲームとなっていくわけです。

戦士、僧侶、魔法使い、武闘家、盗賊、旅芸人という職業(ジョブ)がありますが、これはフィールドでモンスターと戦う時の”役割”・・・純粋な意味で”ゴールド”を稼ぐ手段としての職業としては、職人ギルドという仕組みがあります。これは、モンスターを楽して手に入るアイテムを素材として使って、装備や武器を作ることができます。また、装備や武器に追加効果を加える錬金職人というのもいて、有効な追加効果がついた装備や武器はバザーで高く取引されるのです。ただ、装備も武器も、一度キャラクターが身につけてしまうと、そのキャラクター以外が身につけられなくなってしまうので、新たな装備や武器の需要というのは、常に見込めるわけです。しかし、サービス開始から2ヶ月近くに経った今では、高いレベルの職人が増えてしまったので、大儲けするのは厳しいのかもしれません。

「ドラクエ10」では、キャラクター同士での直接取引というのも可能ではありますが・・・バザーで売り買いすることが一般的です。モノの価格というのは(よっぽどのレアアイテムを除いて)買い手によって相場が決まっていくことが殆どというのは、オンラインゲームの世界も、現実世界も同じこと・・・また、転売することも可能なため、うまいことやればモノを安く買って、出品価格が高くなったところで売れば、バザー出品の手数料を差し引いても、儲かることもある・・・というも、まるでYahoo!オークションのようであります。

お金儲けに励み、それぞれの職業でモンスターと戦いながら、レベル上げやクエスト(おつかい)をクリアしながら、ストーリー部分も進めていく・・・なんだかんだと、やることがいっぱいあります。それにオンラインRPGなのだから、定期的に新しいクエストやストーリーの続きがあって、結局、終わりのないゲームとなっていくわけであります。毎月1000円という利用料金を払ってでも遊び続けようと思うユーザーが減らない限り、会員制クラブのように続くというわけです。実際にスクウェア・エニックス社は、今後10年ほどの稼働期間を想定しているそうで・・・還暦を迎えようとしている年頃になっても、「ドラクエ10」をプレイしている自分というのは、正直いって想像したくない気がします。

それにしても・・・いくらゲームの世界で”ゴールド”を稼いだからって、現実の世界には何も得るモノはありません(リアルマネートレードという違法行為はあるようですが)。それでも、多くの人がMMORPG型オンラインゲームにハマてつぃまうというのは、オンラーゲームの世界がゲーム運営会社によって管理されている世界だからかもしれません。現実の世界では、”努力”や”労力”だけでは成し遂げられないことばかり・・・特に経済的な低迷が続く今日では、知識や資格や学歴や経験を持っているからといって、敷かれたレールに乗っかることさえも、ままならない厳しい状況です。明らかな階級社会ではない日本ではありますが、生まれた段階で誰もが同じスタートラインに立っているわけでもなく・・・あらゆる”不平等”な要素が人生の行方を左右しています。

MMORPG型オンラインゲームの世界というのは、ゲームシステムの中で、ある種の”平等”という概念を追求することでもあるような気がします。例えば・・・サービス開始直後、ある武器のスキルが無敵すぎることが判明して、アップデートによって調整されたということがありました。こうやって、オンラインゲームの世界では、プレイヤーにとって”不平等”であると感じさせられることは排除されていくわけです。

悪用されやすい仕組みの導入にも慎重で・・・Yahoo!オークションにあるようなユーザー同士の”評価”のシステムというのは、すべてのプレイヤーが公平に評価するということが前提であるので、悪意をもつプレイヤーによって荒らしやすい環境は提供されません。”嫌がらせ”や”いじめ”を受けたら、特定のプレイヤーをブラックリストに乗せることだってできるのです。このようにプレイヤー本人にとって不都合だったり、不快だったりすることを排除するというのは、現実の世界(インターネット上を含めて)では不可能なことであります。

しかし、現実の世界のような”自由”というのは限られています。「ドラクエ10」上での”自由”とは、選択肢があるというだけのことで、生まれかわる種族を5つから選べたり、髪の毛の色、髪型、瞳の色、顔、体のサイズ(大中小)は、組み合わせ次第で何万通りというキャラクターが出来るのかもしれませんが、それはあくまでもゲームシステムから与えられた選択でしかありません。

また、ストーリーやクエストのクリア方法も、レベルの概念に支配されていて、快適に進めていくには順序というものがあるのです。キャラクターの成長に関しても、レベルが上がることで得られるスキルポイントを”武器”か”職業特有のスキル”に振るかの試行錯誤はできますが、これもまたゲームシステムによって敷かれたレールをどう進むかというだけの話なのです。

ミニゲーム風の職人ギルドは、ある程度作業を繰り返すうちに分かってくる作業方法を把握してしまえば、かなりの確立で高レベルのアイテムが作り出せてしまいます。結局はゲーム制作者の設定したバランスを、どれだけ読み解くかにかかっているわけです。現実の世界で匠の技を習得するというのとは、次元の違うこと・・・プレイヤー誰もが同じ能力だけ与えられている状態から始められるのですから。

コツコツとレベル上げやスキル上げをしてく”努力”や”労力”が、数値によって報われるように感じられる”平等”な世界だからこそ、多くの人がある種の”やり甲斐”を見出してしまうというのが、現実の世界の裏返しのようであります。

若干の運と不運、効率のいいレベル上げ手段、プレイヤーの操作技術やシステムの理解度の高さなどにも左右されるとは思いますが・・・結局のところ、プレイ時間の長さがキャラクターの成長に比例していることは確かなこと。現実の世界が充実して多忙な日常を送っているプレイヤーというのは、それほどオンラインゲームを遊ぶ時間は割けません。逆に、暇さえあれば遊び続けているプレイヤーは、オンラインゲームの世界で”優位”に立っていくことができます。現実とオンラインゲームの世界では、皮肉な「勝ち組」と「負け組」の逆転も起こるというわけであります。

最強の装備と武器を持って、すべてのクエストもストーリーも誰よりも早くクリアし、すべての職業や職人スキルも最高レベルまで上げて、とてつもない金額の”ゴールド”を貯め込んでいるキャラクターを操作している強者プレイヤーが、現実の世界でどんな人生を送っているのか・・・それを知るのは、正直怖い気がしてしまうのです。

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