2009/10/13

シェフのお任せコース、怒濤のポルチーニづくし!~三輪亭/豪徳寺~



「食のブログ」を書くほど美食家でもないし、外食ばっかりしているわけではありませんが、たま~に料理、サービス、お店の姿勢など全てを含めて、素晴らしくて語らずにはいられないということがあるものです。

秋になるとポルチーニの季節だなぁとは頭をよぎりますが、入荷次第の食材なので食いっぱぐれることがしばしばです。
それに細切れにしてパスタソースで・・・というのが一般的で「ポルチーニを食ったぜ!」と満喫できることは滅多にありません。
ネットで調べてみたらど、ある個人ブログで紹介されていた南チロル地方のイタリア料理の「三輪亭」というレストランが気になりました。
そこで、お店のHPをチェックしてみると、堂々と「ポルチーニ入荷!」と表示が・・・!!ここならイケルかもと思い、さっそく予約の電話を入れてみました。
念には念を入れて電話でも「ポルチーニを食べたいんです」と訴えておいたのですが・・・それが後に功を奏することになりました。

世田谷線で山下駅で下車し、小田急線豪徳寺駅を過ぎて5分ほど歩いた住宅地に「三輪亭」はありました。そのお店の名前から老舗かな・・・と想像していたのですが、明るくて清潔感のある新しい内装で、お店の店員さんも若い人ばかりといった風だったので、ちょっと意外な感じでした。
席に座ったら店員さんが「お任せコースですね」とだけ言って特に料理の内容の説明をしてくれなかったのですが、それは何が出てくるか知らない方が楽しいのでは・・・というお店側の計らいでした。

ブレッドスティックとパテと食前酒からスタートし、まずは小さなサラダ(クミン風味ドレッシングのサラダとひとさじ分のポテトサラダ)と冷たいスープの前菜。コールドカットのハム、ローストビーフ、サラミ類ははたっぷりと。
そして、最初のポルチーニは、まさかの「生」のポルチーニの薄切り入りのサラダ。
そして、第一のメインは、大胆なポルチーニの丸ごとのグリル!
茸の汁までパンに吸収させて美味しく頂きました。
肉団子(つなぎいっぱいのフワフワ)入りのスープ仕立てにもポルチーニをふんだんに。
ポルチーニのクリームソースのパスタは箸休め程度の分量というのがちょうど良い感じ。
ジビエの鴨のホルモン焼き(?)はこってりとして美味!
そして、肉のメインは、北海道で捕れたばかりの鴨のロースト。
”殺したて”だからこその”レア”で、トリ系のお肉とは思えないほど”うま味”がたっぷり。
そして食後のチーズとデザート。
何皿あったんだろうって思うほどの分量と、いろんな形でしっかりとポルチーニを食べたという満足感・・・これが大盤振る舞いで6000円のコースというのは、かなり良心的でお財布にも優しいのでした。

食後、オーナーシェフである三輪学氏とお話しすることが出来たのですが・・・予約の時に「ポルチーニを食べたい」と言ったことが、しっかりと厨房に伝わっていて(こういうコミュニケーションって嬉しい)料理人として俄然やる気を出してくれたそうです。
常連だけに特別なサービスする馴れ合いのお店は敬遠してしまうところがありますが・・・新規のお客さんに対しても誠心誠意全力で料理する姿勢には、感動と感謝でした。「仕事の流儀」や「情熱大陸」で観る本物のプロフェッショナルを目の辺りにした気がしました。
イタリアにでさえ、あまり存在しない南チロル地方のイタリア料理(山の地方なのでジビエの煮込みなどが有名らしい)を食べられるのは、東京、日本、もしかするとアジアでも「三輪亭」だけなのかもしれません。
気取ったイタリア語の名前でなく、誰でも覚えられる名前にしているのも好感が持てます。
また、シェフ自身が三人の子持ちということもあって、お子様もウェルカムだそうです。
もう少し寒くなったら狩猟が解禁になるので、今度はジビエを味わいに行きたいと思っている次第であります。

cucina triolese 三輪亭
03-3428-0522
世田谷区豪徳寺1-13-15 ツノダ第1ビル1階
(小田急線豪徳寺駅徒歩5分/世田谷線山下駅6分)

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