勝間和代氏の本をわざわざ購入しては、ネガティブな意見をブログにアップしていたボクに対して・・・「嫌いな人のこと、よく書けますねぇ~」と厭味を言われたことがあります。「嫌い」=「無関心」ということもあるけれど、期待を裏切らない「嫌さ加減」から、逆に目を離せなくなるようなこともあるのです。中身を読まずして内容を批判するというのはアンフェアでありますから、著書は購入して読んで批判というのがボクのモットー。しかし最近、勝間氏はすっかり影が薄くなくなってしまい・・・以前ほどの勢いはありません。アンチ”ファン”としては、残念な限りです。
そんな時・・・新たな獲物を物色していた(?)ボクの目にとまったのが、メイロマ(@May_Roma)こと”谷本真由美”というロンドン在住で女性であります。現地時間の早朝から夜中まで(睡眠時間を除く全時間帯)ツイッターに張りついて、毎日数百以上のツイート&リツリートを”日本語”で日本人相手にしている重度の「ネット依存症」という”痛い”人ではあるのですが・・・熱狂的な支持者=信者も存在する「カリスマツイッター職人」でもあるのです。失笑を誘う”炎上”を繰り返す彼女のツイートに、ボクはすっかり”アンチ”ファンとなってしまったのでした。
メイロマと信者、そしてアンチによって日々繰り広げられている”やりとり”を、ボクは勝手に「メイロマ劇場」と命名して傍観しているのですが・・・カツマー信者の「身の程知らずの上昇志向」や「自己評価だけは高い」”キャリア系”(?)の人というイメージとは対照的に、メイロマ信者は、精神構造が”負け組”な人や、中途半端な海外経験によって”日本人コンプレックス”を拗らせてしまった人など、どこかしら「Lower Class(下層階級)臭」がプンプンします。日本を「dis」るツイートに「禿同!」することによって、自分は他のバカな日本人とは違って”海外目線”で日本がダメなことを分かってるいる・・・という底上げされた”選民意識”を死守しようとしているのかのようです。
思いの外、谷本氏の職歴(Yatedo参照)の多くは日本(日系)企業であります。ニューヨーク州のシラキュース大学に留学中の1999年に、サミュエル・インターナショナル・アソシエーツ(ワシントンDC)でインターンシップ、日本広報協会(ニューヨーク)でインターンシップ・・・2001年に日本に帰国後、ソフトバンク・メディア&マーケティング 社(現ソフトバック・クリエイティブ社)に数ヶ月在籍、その後2001年から2003年NTTデータ社に在籍していたようです。2003年から2007年に国連連合食糧農業機関(FAO)のローマ本部に勤務していたことは事実ではありますが、2007年には再び日本に帰国して、アクサ・テクノロジーサービスジャパン社に2008年まで在籍・・・谷本氏のセールスポイントの「元国連職員」以外の職歴は、日系のIT企業を数ヶ月から2年未満で転職を繰り返しています。
2008年頃(?)ネットを通じて知り合ったイギリス人の男性と結婚してロンドンに移住・・・2010年以降は日系銀行に勤めている(すでに退職したという噂も)らしいのです。現地採用で日系企業というのは、ある意味、日本国内にある日本の企業で働くよりも「日本」や「日本人」を意識させられる環境と言えるかもしれません。嫌いな日本から離れるために海外留学や海外就職を繰り返してきて、やっとイギリス人男性と結婚してロンドンに移住したのに、日本企業で働いている(でしか働けない?)というのは、悲しい”皮肉”と言えるでしょう。
そんな”日本人限定の自称国際人”の谷本氏は、今年に入ってから日本での出版予定が続々・・・その1冊目が「ノドマと社畜~ポスト3・11の働き方を真剣に考える」であります。この本は「電子書籍」として2013年1月に発売され、その2ヶ月後の3月に「紙の本」が出版されたのですが・・・「紙の本」になる際に「電子書籍」ではタイトルにありながら殆ど触れられていなかった「社畜」について”大幅”に書き加えています。単行本から文庫本になる時(単行本の発売から年月を経ている)ならば分かりますが・・・「電子書籍」発売の2ヶ月後に完全版(?)の「紙の本」出版というのは「電子書籍」の購買者を欺むいているとしか思えません。しかし「電子書籍」を購入した信者は喜んで「紙の本」も購入して、すぐさまツイッターで谷本氏にご報告。「お礼なう」のリツリートをしてもらうことに歓びを感じているようなのだから・・・トホホです。
サブタイトルに「ポスト3・11の働き方を真剣に考える」とあるものの・・・”はじめに”で「ノマド」ブームは『東日本大震災の後に生活や人生の価値観が激変してしまった若い人たちの間で顕著な気がします』という谷本氏の個人的見解で触れているだけ。「ノマド」「社畜」「ポスト3・11」という目を引くキーワードを並べただけで、中身は薄いという印象です。本書に書かれている「ノマド」の実体というのは、取材しているケーススタディが少な過ぎる上に偏り過ぎ・・・イギリスの「ノマド」の実例として「ニッチな専門職」を取り上げる一方で「アフェリエイト」「せどり」「下請け」という”副業”的な「ノマド」と比較するのは不釣り合い。自分の視点は「最高レベル」の実例として、読者の立場は「最低レベル」を持ち出すのは、ツイッターでもお馴染みの谷本氏の手法で・・・詐欺まがいの「ノマド」推しの商法と真逆のレトリックです。
サブタイトルに「ポスト3・11の働き方を真剣に考える」とあるものの・・・”はじめに”で「ノマド」ブームは『東日本大震災の後に生活や人生の価値観が激変してしまった若い人たちの間で顕著な気がします』という谷本氏の個人的見解で触れているだけ。「ノマド」「社畜」「ポスト3・11」という目を引くキーワードを並べただけで、中身は薄いという印象です。本書に書かれている「ノマド」の実体というのは、取材しているケーススタディが少な過ぎる上に偏り過ぎ・・・イギリスの「ノマド」の実例として「ニッチな専門職」を取り上げる一方で「アフェリエイト」「せどり」「下請け」という”副業”的な「ノマド」と比較するのは不釣り合い。自分の視点は「最高レベル」の実例として、読者の立場は「最低レベル」を持ち出すのは、ツイッターでもお馴染みの谷本氏の手法で・・・詐欺まがいの「ノマド」推しの商法と真逆のレトリックです。
「英語できないとダメ」「日本の仕組みが悪い」「専門職しか生き残れない」「ノドマ的社畜であれ」と・・・英語ができて、海外在住で、IT系の専門職(システム監査)で、日系企業に勤めながら英語添削塾や執筆活動している谷本氏自身の生き方を「自画自賛」するような結論の本書は・・・「私って凄いでしょ?」と自負しているノマド系の「自己啓発本」と変わりありません。谷本氏は、美味しそうに撮影された料理の写真を”フードポルノ”と呼ぶことに引っ掛けて「自己啓発本」を”キャリアポルノ”と呼んで「dis」っていますが・・・”ポルノ”として「自己啓発=勃起させる」直球の「自己啓発本」の方が(確かにゴミみたいな本ばかりだけど)まだ健全かもしれません。谷本氏の「dis」る”キャリアポルノ”は「英語できないとダメ」「日本のノマドはダメ」「社畜もダメ」のダメダメ尽くしの、やる気を削ぐような逆張り”ポルノ”で・・・読者を勃起不全にしようとしているかのようです。逆に・・・すでに勃起不全で社会の底辺に堕ちている信者たちは、谷本氏の日本「dis」という”お墨付き”によって辛うじて救われているのかもしれませんが。
谷本氏が結婚したイギリス人男性の言動は(彼女がツイッターで披露する限り)かなりの日本「dis」の人に見受けられます。彼女に影響されたのか、彼女と出会う前からそういう人なのかは分かりませんが、下層階級的なマインドの人ほど、人種差別によって”低俗なエゴ”を満足させるものだったりするもの・・・モノの見方が屈折している夫婦という印象は拭えません。「母国を恨み嫌う日本人妻」と「妻の母国を蔑むイギリス人夫」の、先入観と妄想を入り交じった”誇張”も加わって「メイロマ劇場」の日本への怨み節は止むことはなく・・・ますます暴走していくのであります。
谷本氏の2冊目は「日本が世界一『貧しい』国である件について」・・・一冊目よりも、さらに日本「dis」に満ちた内容となっています。些細なことでも日本「dis」に結びつけていく反面、イギリスについては”いい加減さ”も心の豊かさに解釈するという、お馴染みのメイロマ式の現実変換が行なわれているのは言うまでもありませんが・・・生活の質という観点から「日本が世界一貧しい」というのは、”本当に貧しい”国の人たちからしたら腹立たしいほど自虐的過ぎる見解でしょう。その上、彼女が訴える日本「dis」は、新鮮味のないステレオタイプばかりで、日本を捨てた(?)彼女自身の正当化の根拠を何とか見出そうとしているようにしか思えません。「日本が世界一『貧しい』国」というタイトルのインパクトだけ・・・内容の説得性には欠けています。
「紙の本」購入者には、谷本氏の生声ポッドキャスト(約23分)を聞くことができるという”おぞましい”(?)特典がついてくるのですが・・・恐る恐る聞いてみると「たぶんリアルでは嫌われるタイプだろうなぁ」という印象の声質と話し方。日本のバカベスト3(ベスト何だ?)として「ノマドバカ」「自己啓発バカ」「社畜バカ」を挙げているのだけど、メイロマ信者のことを言ってるかのようで笑えました。日本が”海外で”バカにされるようになったと肌身に感じるということは、ロンドン在住の彼女がどう周りの人々に扱われてきたかを反映しているわけでもあって・・・”日本人限定で自称国際人”気取りで勤務中にツイッターばかりしてたら「バカにされても当然」と思ってしまうわけであります。まるまる一冊、日本「dis」しておきながら、本書の最後の最後に「多様性を受け入れて自分とは異なる『他者』を尊敬し認めること」と本書を結んでしまう谷本氏に”ひとこと”言うとしたら・・・「おまえが言うんじゃないよ!」に尽きるのです。
去年9月頃、ボクのもうひとつのブログ「けいたいおかし」に「上から目線のツイートが痛々しい@May_Romaさん」という記事を書いたのですが・・・記事をアップしてから3ヶ月ほどしたある日、アクセスが急に増えて信者とおぼしき人たちからコメント欄へ書き込みがありました。エゴサーチを日課としている谷本氏本人が、このブログ記事についてのツイートを見つけたようなのです。そこで”あえて”記事へのリンクを貼ったまま「誹謗中傷が含まれているのでブログ運営会社に通報する」と、彼女はリツリートしていたのでした。4万人のフォロワーたちにブログ記事を晒すことで、信者たちにバッシングさせようという魂胆だったのかもしれません。
匿名の批判に対して「個人の特定可能」と脅迫(?)で苛立ちを露にする谷本氏でありますが・・・実名で批判しようものなら、とんでもない仕打ちをされます。これまでもツイッター上で彼女と絡んだ人が、強制的に謝罪を求められたり、信者たちから理不尽なバッシングを受けるのは目にしてきました。しかし、ボクの記事に対して、数名の信者たちがボクを中傷するコメントを付け加えてリツリートはしたものの・・・彼女が望んでいたような「バッシングで大炎上」とはなりませんでした。谷本氏が(ツイッター、個人ブログ、Amazonレビューなどで)批判されると、信者たちは「嫉妬だ」「コンプレックスだ」「嫌がらせだ」と反撃するのですが、これこそ「嫉妬」や「コンプレックス」「嫌がらせ」に囚われているタイプの人間だから”こそ”の考え方です。
彼女がブログ運営会社(アメーバ)に通報したかどうかは分かりませんが・・・個人情報を掲載したり、脅迫しているわけではないのに、ブログ運営会社が一方的な要求で記事を削除するわけはありません。彼女のツイッター発言によると・・・『ツイッターは広告媒体として、彼女の旦那が講師らしい「英語ビジネス」へ誘導することや、「有料ウェブマガジン」を購読させることが目的らしく(略)』という文章がお気に召さなかったらしく(あの記事の中でソコ?)・・・「ツイッターは英語塾への勧誘」という解釈が「誹謗中傷」「名誉毀損」「営業妨害」だというのが彼女の言い分のようです。「英語塾は営利目的ではない」「家人の暇つぶしと人助けでやってる」と、彼女が必死(!)に反応したことで、「何故、英語塾の添削料金ってそんなに高額なの?」(英文履歴書添削3万円から/「英語虎の穴」お仕事の依頼参照)とか「英語塾収入の納税はどうなっているの?」という疑問も生みました。
谷本氏の日本「dis」が多少なりとも支持されたのは、民主党時代のデフレ経済による出口の見えない状況が長く続いていたということが大きいと思います。しかし(すべての人が景気回復を実感しているわけではありませんが)「アベノクミス」によって世の中の雰囲気は変わっていくかもしれません。不景気の時には「政治が悪い」「会社が悪い」「システムが悪い」と、自分のおかれている環境を「dis」ることで不満を晴らすところがありますが、景気が良くなっても格差社会の根本的な構造が変わるわけではないので、谷本氏のような偏った日本「dis」を支持する人というのは存在し続けるような気はします。
谷本氏の3冊目の出版も間近(2013年5月21日)で、そのタイトルは「日本に殺されずに幸せに生きる方法」・・・カルト宗教の勧誘文句(?)のような根拠のない危機感を煽っています。勃起不全の信者たちにとって、救い主=メイロマ神(?)によって授けられた”ノアの箱船”になるのでしょうか?「メイロマ」という踏み絵によって、狂信的な信者たちを寄り分けているようで・・・彼女の私怨である日本「dis」が、どこに向かっているのか分からなくなってきます。メイロマの”アンチ”ファンとしては「嫌いがい」のある””痛さ”を発揮し続けてくれることを願うばかり。さらに6月13日には「キャリアポルノは人生の無駄だ」というタイトルの4冊目となる新書を出版・・・”日本人限定の自称国際人”による上から目線の日本「dis」、同族嫌悪のような自己啓発本「dis」という、ツイッター上でお馴染みの”スタンスは変わりないようです。
仲正昌樹氏の「いまを生きるための思想キーワード」という本で、最近のネット住人の”動物化”について書かれているのですが・・・まるで「メイロマ劇場」で起こっている現象を言い表しているかのようなので、その文章を引用して終わります。
ブログやツイッターに一日中張りついて、同じようなパターンのイタイ発言を繰り返している人たちがいるが、彼らはごく少数の同じような嗜好の人たちから承認されれば、それで結構満足する。批判的なコメントはすぐ削除・ブロックするか、(承認/非承認機能を使って)「承認」しないことにする。そして、自分たちのスゴさを理解できない”俗人”たちを、(どの程度の実体があるかは分からない)”仲間”と一緒に軽蔑、罵倒し、溜飲を下げたつもりになる。小さな”仲間”サークルに属している人たちは、発言の中身や真偽にかかわらず、脊髄反射的・・・ネット上では、条件反射よりも更に原始的という意味合いで、「脊髄反射」という言い方をする・・・に、”味方”を賛美し、”敵”を攻撃する。そのせいで、”仲間”内で結束すればするほど、言葉による表現力、理解力、意思伝達力はどんどん低下していく。