「『今のあなた』で大丈夫!~自分に無理をさせない生き方」は、今、一生懸命生きている女性へのメッセージ(自分を責めない、見つめすぎない、人と比べない)を綴った、香山リカ書き下ろしの新刊です。
「読むカウンセリング本」を銘打った新講社「生き方」シリーズの一冊ということから、比較的ひっそりと心理学コーナーに置かれていました。
香山さん自身の経験から語られるアドバイスや内輪話も多く、数ある著書のなかでも最もパーソナルな印象・・・カヤマーファンにはお奨めの一冊といえるでしょう。
以前から、カヤマーを自負するボクでありますが・・・よく考えてみれば、生粋のカヤマーというかというとよりも、アンチ・カツマーとしての相対的なカヤマーなのかもしれません。
カヤマー的なメッセージは、ボクみたいな「頑張らない人」にとっては、とっくに実践している生き方・・・頑張らない生き方を根底から否定するようなカツマーに反発し、肯定するカヤマーに賛同していたにすぎないとも言えるのです。
「ジブン。頑張っている!」と思い込んでしまっている自己チューなナルシストも最近は結構多く存在しますが・・・確かに、自分を精神的に追い込んでしまう人も世の中にはたくさんいるはずであります。
本当に「一生懸命頑張っている、まじめな人たち」にとって、救われるひと言こそが「今のあなたで大丈夫!」なのかもしれませんが・・・ボクのような人とっては、どんな自分でも「肯定」してしまう危ない「麻薬」のような言葉なのです。
香山さんが読者のターゲットとしている「真面目で大人しい頑張っている人」に、おろらくボクは当てはまらないように思います・・・「元気で目立つ人ばかりが注目される」と、逆に敵対視されているようなタイプの方が、ボク自身に近いのかもしれません。
コツコツと真面目にやっている目立たない自分は損している・・・と思っている人って、世の中には結構いると思うのですが、ボクは「損している」と感じることって皆無です。
まず、第一にコツコツと努力していません。
出来るならば「楽ちんが一番」「無理な努力はしない」・・・好きなことには労力を惜しみませんが、それは努力とはちょっと違います。
あれこれと「こだわり」はあるけれど、その「こだわり」にも、それほど「執着」もありません。
現状の自分が「得」していなくても、それは自分の選択してきた生き方の結果でしかなく、何ら文句も言えないと思っています。
無意識に「頑張りすぎてしまう」人がいるように、意識的に「頑張るという方法論がない」人っていうのもいるものなのです・・・ボクのように。
先日の「エチカの鏡」によると、ボクのような「ひとりっ子/男子」は「マイペース」「上昇志向がゼロ」「競争意識がない」ということ・・・ぴったりと当てはまっていました。
生まれつき(?)それほど頑張り屋さんでもなく、いわゆる社会的な上昇を目指さないボクにとって「今のままで良いんだよ」なんて全面的な肯定は、ますます「今の自分」を増長させてしまうだけです。
香山さんの唱える「65点主義」どころか「25点でも1/4は正解!」と楽観的にとらえてしまうようなボクなのだから・・・せめて65点を獲るようになってから「頑張らなくても良いんだよ」と自分に言うようにしたいものであります。
ボクは香山リカを卒業して、そろそろ自分を見つめる必要があるのかもしれません。
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