2009/10/16

初冠番組「マツコの部屋」でも本領発揮できないないマツコ・デラックス



ここ数年でテレビでの存在感を増しつつある「巨漢女装コメンテーター」マツコ・デラックスは、結局のところ関東ローカルTOKYO MXの「5時に夢中!」だけでしか、本領を発揮していないというのが現状であります。
それでも、オリコン調査の「好きなコメンテーター」では、ピーコを抑えて堂々とベスト4にランクインするという快挙を成し遂げています。
そして・・・満を持して(!)10月の番組編成の番組入れ替えで、フジテレビの深夜番組にて遂に冠番組を持つまで至りました。

マツコ・デラックスは、だいたい「ご意見番」として”えばりくさって怒っている”ということが殆どなのでありますが、これは古典的なオネェ(ゲイバーのママなど)のお家芸でもあると思います。
最近のゲイバーのママのノリは極フツーっぽい感じであるようですが、古いスタイルのママの中には「虚栄心と負けん気の強いご意見番」という芸風が売りだったりする方がいらっしゃいます。
ゲイバーママの厳しい言葉に快感を感じてしまう・・・というMっぽいオコゲには、いまだに人気があるのかもしれません。
口の悪いママには美しいな方がたくさんいらっしゃいますが、中には外見的な不自由さを逆手にとったようなママも存在したりします。
マツコのようなママを「デブ!」「ブス!」と罵ったとしても「そうだけど、どうした!そんなことしか言えないのか!」と言い返されるのがオチでしょう。
攻撃や批判は脂肪で吸収して、仏頂面の上目線で斬りまくり、何かの教祖さまのようなオーラさえも感じさせてしまう・・・マツコ・デラックスは何を目指しているのでしょうか?

気になるマツコ・デラックスの初冠番組「マツコの部屋」の内容ですが・・・「低予算プログラム」とタイトルに銘打って、ダジャレのVTRに対してマツコにコメントさせるという15分の深夜番組です。
「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラがレット・バトラーと踊った「喪服」のようなドレスにマツコは身を包んでいるのですが、僕にはロシアのお土産でもらったシチューを冷やさないために鍋の上にのっけておく人形のようにしか見えませんでした。
今回もマツコはずっと怒り続けています。
ただ、マツコが毒を吐く相手がスタジオの舞台そでにいるADで、怒っている内容がいかに安っぽいVTRなのかということなので、何が面白いのかまったく分かりません。
視聴者がマツコ・デラックスに求めるのは、芸能界に存在する目に見えないヒエラルキーを乗り越えて「”裏”ご意見番」としての”毒舌家”というポジションではないでしょうか?
その役目というのは、ゲイバーなどの限られた世界では容易いことだけど、テレビの世界では難儀なことではあるようです・・・ゴールデン番組で、姑息にMCにヨイショするマツコにはガッカリさせられます。
だからこそ無責任に応援だけは続けたい・・・「まついたかひろ君(マツコ・デラックスの本名?)頑張れ!」

マツコの部屋
フジテレビ/木曜日深夜25:45~26:00

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